220系クラウンの弱点を総点検!後悔しない中古車の選び方と故障リスク
トヨタの伝統を大きく覆し、ドイツのニュルブルクリンクで鍛え上げた走行性能を引っさげて登場した15代目・220系クラウン。伝統の「ロイヤル」「アスリート」というグレード体系を刷新し、スポーティなFR(後輪駆動)セダンとして生まれ変わった同車は、2026年現在の中古車市場において手頃な価格帯へと落ち着き、急速に注目度を高めています。
しかし、ネット上やオーナーコミュニティを覗くと「買って後悔した」「故障が多い」「乗り心地がイメージと違う」といった不穏なワードが散見されます。かつてのクラウンが持っていた「雲の上の乗り心地」を期待して購入すると、予想外のギャップに直面しかねません。本稿では、自動車整備の現場や中古車市場のリアルな取引データをもとに、220系クラウンに潜む弱点、定番の故障箇所、そして後悔しないための選定眼を徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:220系の最大の弱点は「前期型ナビの劣悪な操作性」と「伝統的なクラウン像からの乗り心地の激変」にある。
- 要点2:ドアミラー電動格納の不具合や2.0ターボの補機類トラブル、多走行時のハイブリッドバッテリー劣化が定番の故障リスク。
- 要点3:後悔を避けるなら12.3インチ単一画面に刷新された「後期型(2020年11月以降)」または足回りのしなやかな「G系グレード」が最適解。
【2026年最新】220系クラウンの弱点とは?中古車市場で敬遠される決定的な理由
220系クラウンが中古車市場で「やめたほうがいい」と一部で囁かれる最大の理由は、車両そのものの基本設計が粗悪だからではありません。根本にあるのは、「歴代クラウンのファンが求めていた快適性」と「トヨタが目指した欧州スポーツセダン志向」との深刻なミスマッチです。
トヨタは15代目クラウンを開発するにあたり、新世代TNGAプラットフォーム(GA-L)を採用し、ドライバーズカーとしての運動性能を極限まで磨き上げました。その結果、コーナリング性能や高速安定性は飛躍的に向上したものの、クラウンの代名詞であった「静かでソフトな乗り心地」や「広々とした後席空間」が削ぎ落とされる結果となりました。
加えて、前期型に搭載された特異な電装システムや、セダン市場全体の縮小に伴うリセールバリューの下落が重なり、中古車相場が急激にこなれた経緯があります。走行性能の高さを理解して選ぶ愛好家がいる一方で、単に「手頃な価格で買える高級クラウン」として飛びついたユーザーが、日常使いの細かな粗に直面して「買って後悔した」と声を上げる構図が生まれています。

歴代オーナーが後悔した3大ポイント|ナビ画面・乗り心地・内装の質感
220系クラウンを購入したユーザーから特に強い不満が寄せられるポイントは、主に以下の3点に集約されます。これらは日常のドライブフィールに直結するため、購入前に必ず把握しておく必要があります。
1. 酷評を集めた前期型の「上下2画面インフォテインメントシステム」
前期型(2018年6月〜2020年11月改良前)のインパネ中央には、遠方に配置されたナビゲーション画面と、手元のエアコン・車両設定用操作画面からなる「ダブルディスプレイ」が採用されました。このインターフェースが操作性の面で極めて不評を買いました。タッチのレスポンスが鈍く、画面遷移が直感的でないばかりか、「ナビ画面がブラックアウトする」「再起動を繰り返す」といったシステム不具合の相談が整備現場でも多発しました。2020年11月のマイナーチェンジで横長の12.3インチワイド単一ディスプレイへと全面刷新された事実そのものが、前期型ナビの設計がいかに市場の支持を得られなかったかを物語っています。
2. スポーティ志向の代償となった「乗り心地の硬さ」と「後部座席の狭さ」
特に売れ筋である「RS」および「RS Advance」は、18インチアルミホイールと減衰力可変サスペンション(AVS)を備え、引き締まった足回りを誇ります。しかし、荒れた路面やマンホールの段差では突き上げ感がダイレクトに伝わり、同乗者から「15代目クラウンは乗り心地が悪い」と評される要因になりました。さらに、流麗なファストバック風クーペスタイル(6ライトウィンドウ)を追求した結果、頭上クリアランスや足元スペースがタイトになり、「220クラウンは後部座席が狭い」という不満に直結しています。役員送迎やファミリー用途を想定している場合、210系(前代)よりも狭小感を覚えるケースが少なくありません。
3. 先代比で目立つ「内装のプラスチック感」
新車価格が500万〜700万円超のプレミアムサルーンでありながら、センターコンソール周辺やドアトリム下部にハードプラスチックが多用されており、「レクサスESや先代クラウンマジェスタに比べてコストダウンが露骨」という質感への失望感も、オーナーが後悔を抱く大きな引き金となっています。
部品屋・整備士が警告する故障リスク|壊れやすい箇所と修理費用相場
堅牢な品質で知られるトヨタ車とはいえ、登場から年数が経過した220系クラウンには固有の経年トラブルや構造的弱点が存在します。部品商や現場の整備士が「仕入れ時・購入時に要チェック」と口を揃える部位を整理しました。
| 項目・故障箇所 | 詳細・数値データ | 一般的な修理費用相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| ドアミラー電動格納機構 | 内部樹脂ギアの摩耗・噛み込みによる動作不良や異音。開閉停止が多発。 | 片側 約30,000円〜50,000円(ユニットAssy交換) | 220系の定番持病。中古車購入時は左右とも複数回の開閉動作チェックが必須。 |
| ハイブリッドバッテリー(駆動用) | 走行距離15万〜20万km、または初度登録から7〜8年超で電圧低下警告。 | リビルト品:約18万〜25万円 新品:約35万〜45万円 | 2.5L(ニッケル水素)はリビルト流通豊富。3.5L(リチウム)は部品代が高額化しやすい。 |
| 2.0ターボ(8AR-FTS)補機類 | 電動ウォーターポンプからの微小な冷却水漏れ、直噴インジェクターの煤詰まり。 | ウォーターポンプ交換:約6万〜9万円 吸気系洗浄:約3万〜5万円 | 熱負荷が高いターボ車特有の経年劣化。水温管理と定期的なエンジンオイル管理が寿命を左右。 |
| マルチインフォメーション画面不具合 | 前期型ダブルディスプレイの画面フリーズ、ブラックアウト、通信エラー。 | ソフト更新:数千円〜 基板ユニット交換:約10万〜15万円 | 前期型を検討する際は、最新ファームウェアへ更新済みか整備手帳で確認したい。 |
| 電子制御サスペンション(AVS) | 過走行車におけるショックアブソーバーのオイル滲み・減衰力モーター異常。 | 1輪あたり約40,000円〜(4輪全交換で約20万円超) | RSアドバンスなど装着車は乗り心地悪化の主因に。リフトアップ点検で漏れを確認。 |

パワートレイン別の維持費と実燃費|2.0ターボ・2.5HV・3.5HVのリアルな差
220系クラウンには3種類のパワートレインが用意されており、それぞれ維持費とランニングコストの特性が大きく異なります。「車体価格が安いから」と安易に選ぶと、その後の燃料代や税金で手痛い出費を強いられます。
経済性と耐久性のバランスに秀でる「2.5L ハイブリッド(A25A-FXS)」
220系の本命とされる2.5Lハイブリッドは、ダイナミックフォースエンジンを搭載し、実燃費は街乗りで15〜18km/L、高速巡航では20km/Lを超える数値を叩き出します。燃料は経済的なレギュラーガソリン仕様であり、自動車税も年間43,500円(自家用・2.0L超2.5L以下)と標準的。流通量が圧倒的に多いためリビルトパーツや中古部品も手に入りやすく、維持費を最小限に抑えたい層には最も推奨できる選択肢です。
走りは軽快だが燃料代が嵩む「2.0L ターボ(8AR-FTS)」
直列4気筒直噴ターボは、ノーズの軽さによるシャープな回頭性とトルクフルな走りが魅力です。自動車税も年間36,000円(2.0L以下)と税制面では有利に見えます。しかし、指定燃料はプレミアム(ハイオク)ガソリンであり、実燃費は街乗りで8〜10km/L、高速でも13〜14km/L程度に留まります。近年のガソリン価格高騰下では燃料コストの負担が重く、オイル交換サイクルもNAやHVより短いため、トータル維持費では2.5Lハイブリッドに軍配が上がります。
圧倒的な動力性能と高額な維持費が同居する「3.5L マルチステージHV(8GR-FXS)」
V型6気筒エンジンと有段ギアを組み合わせたマルチステージハイブリッドは、システム最高出力359馬力を誇り、スポーツカー顔負けの加速性能を誇ります。しかし、自動車税は年間57,000円(3.0L超3.5L以下)へと跳ね上がり、駆動用リチウムイオンバッテリーの交換費用やタイヤの摩耗スピードも早くなります。プレミアムサルーンとしての至高の走りを求める明確なこだわりがない限り、維持費重視で選ぶべきではありません。
【実態検証】ユーザーの生の声と「RSアドバンス」の真の評判
220系クラウンで最も人気を集めたトップグレード「RS Advance(RSアドバンス)」について、実際のオーナーたちの声や整備現場の証言を精査すると、明確な評価の分断が見えてきます。
肯定的な意見としては、「高速道路での直進安定性が歴代クラウンとは別次元」「山道でもロールが抑えられ、セダンとは思えないほど意のままに曲がる」「外観の専用エアロや4本出しマフラーの精悍さが抜群に格好いい」といった、走りの質感とエクステリアデザインに対する絶賛が目立ちます。
一方で、手厳しい指摘として挙がるのが日常域でのマナーです。「路面の凹凸を拾いすぎて同乗した家族から不評だった」「本革シートのサポート性は良いが、座面が硬く長距離でお尻が痛くなる」「前期ナビの目的地設定に毎回ストレスを感じる」といったリアルな体験談が存在します。「高級車=極上の安楽さ」という先入観を抱いてRSアドバンスに乗ると、足回りの引き締まり具合にギャップを感じる人が後を絶ちません。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|下落したリセールバリューの真実
ネット上では「220系は不人気でリセールバリューが崩壊した失敗作」と極端に論じられる場面があります。しかし、これには市場の構造的な誤解が含まれています。
確かに新車販売当初、従来の法人・シニア層の買い替えが鈍ったことや、前期型ナビの不評によって初期のリセール下落率は大きくなりました。しかし、16代目クラウンがクロスオーバーやSUV路線へと舵を切り、正統派のFRセダン(16代目クラウンセダン)が燃料電池車や高価格帯にシフトしたことで、「純粋な後輪駆動ガソリン/ハイブリッドFRセダンとしてのクラウン」の希少価値が再評価されています。
現在の中古車相場において、特に後期型の低走行個体や、装備が充実したRSアドバンスは底値を脱し、安定した相場を維持しています。単に「不人気だから安い」のではなく、「前期型の電装面への懸念が価格を押し下げており、後期型や優良個体にはしっかりとした価値がついている」というのがプロの市場分析における実態です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
以上の分析を踏まえ、220系クラウンの購入に踏み切るべきユーザーと、避けるべきユーザーの境界線を明確に提示します。
▼ 220系クラウンを選んで満足できる人:
- 欧州車(BMW 3/5シリーズやメルセデス・ベンツC/Eクラス)のような、引き締まった足回りとシャープなハンドリングを好むドライバー。
- 国産後輪駆動セダンの高い操縦安定性を、レクサスよりも手頃な予算で手に入れたい人。
- 予算に余裕があり、ナビ画面が12.3インチへと改善された2020年11月以降の後期型を指名買いできる人。
▼ 220系クラウンを避けたほうが無難な人:
- 170系〜210系クラウンのような、ソフトで段差をいなすような極上の柔らかい乗り心地を愛している人(この場合は210系ロイヤルやレクサスESの中古が有力候補)。
- 後部座席に高齢の家族や大切なお客様を頻繁に乗せるなど、ショーファードリブン的な後席居住性を最優先する人。
- 車内の電装品操作にストレスを感じやすく、ナビのレスポンスの遅さを許容できない人(特に前期型を狙っている場合)。
【220系クラウンの弱点】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:前期型と後期型、中古で買うならどちらが後悔しませんか?
A1:予算が許す限り、2020年11月以降の後期型を強く推奨します。最大の問題点であったナビゲーションが12.3インチワイド画面に刷新され、ディスプレイオーディオ機能や操作性が劇的に改善されています。前期型を選ぶ場合は、実車でナビの操作性や画面の不具合がないかを徹底的に確認してください。
Q2:走行距離10万km超のハイブリッド車はバッテリー故障が心配ですが大丈夫ですか?
A2:トヨタのハイブリッドシステム自体は極めて高耐久で、15万km前後までノントラブルの個体も多く存在します。ただし、年式経過による劣化は避けられないため、購入総額に「将来的なリビルトバッテリー交換費用(約20万円)」をあらかじめメンテナンス予算として見込んでおくのが賢明です。
Q3:乗り心地の硬さを改善する方法はありますか?
A3:RS系グレードの場合、装着されている18インチホイールから17インチホイールへのインチダウン(タイヤの扁平率アップ)を行うことで、路面からのゴツゴツ感を大幅に緩和できます。また、コンフォート系グレードの「G」や「G-Executive」を選ぶこともしなやかな乗り心地を得る確実な方法です。
Q4:2.0ターボと2.5ハイブリッドで迷っていますがどちらが故障しにくいですか?
A4:長期的な信頼性とメンテナンス性の観点では、2.5Lハイブリッドが優位です。2.0ターボは熱負荷が高く、ウォーターポンプからの微小な水漏れやカーボン蓄積のリスクが相対的に高くなります。また燃料代の差も大きいため、維持費の安定を望むなら2.5Lハイブリッドが無難です。
まとめ:最後のFRクラウンを納得して手に入れるために
15代目となる220系クラウンは、歴代の安穏とした殻を破り、走りの歓びを突き詰めた意欲作でした。その過渡期的な変革ゆえに、インフォテインメントシステムの未完成さや足回りの硬さといった明確な弱点が生じたことは否定できません。
しかし、弱点の所在とその対策を正しく把握していれば、これほど高いボディ剛性と俊敏なフットワークを兼ね備えたFRセダンを、現在の中古車相場で手に入れられるチャンスは他にありません。前期型と後期型の装備差、グレードによる足回りの違い、そして定番の故障傾向をしっかりと天秤にかけ、自身の用途に合致した納得の1台を選び出してください。 (出典: 220クラウンの 弱点(Yahoo!ニュース))