日本で1番人口が少ない県はどこ?鳥取県が世田谷区未満の衝撃理由と現在地
日本全国47都道府県のなかで「最も人口が少ない自治体」と聞いて、どこを思い浮かべるでしょうか。正解は中国地方の日本海側に位置する鳥取県です。
総務省の最新推計人口において、鳥取県の人口は約53万人台。この数字は、日本の総人口(約1億2,433万人)のわずか0.4%強にとどまる規模です。SNSやネット上では「東京の1つの区よりも住民が少ない」という噂が定期的に話題にのぼりますが、実態を検証すると、噂どころか東京都世田谷区(約92万人)の約6割という衝撃的なデータが浮き彫りになります。なぜ鳥取県は全国で最も人口が少ないのか、隣県の島根県や四国の高知県とはどのような違いがあるのか。2026年の最新動向や現地住民のリアルな証言、過疎化の現状を踏まえて徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:日本で最も人口が少ない県は鳥取県(約53万人)で、東京都世田谷区(約92万人)の6割に満たない規模。
- 要点2:人口が少ない主因は「険しい中国山地による地理的分断」「若年層の京阪神・東京圏への流出」「大規模な重化学工業の集積がない産業構造」の3点。
- 要点3:人口密度では北海道や東北各県の方が低く「日本一スカスカ」ではない。人口最小県を逆手に取った手厚い子育て・移住支援が奏功し、新たな地方創生モデルとして注目を集めている。
【2026年最新推計】日本で1番人口が少ない県は鳥取県|全国ワースト5の顔ぶれ
総務省統計局が公表する人口推計および国勢調査データを分析すると、47都道府県における最下位の座は長年にわたり鳥取県が続いています。かつては60万人台を維持していた鳥取県人口推移ですが、少子高齢化と人口流出の波を受け、2020年代に入ってからは53万人台で推移。日本の総人口に占める割合は1%を大幅に割り込んでいます。
では、都道府県人口ランキングの下位にはどのような自治体が並んでいるのか。最新の統計データを整理した比較表が以下となります。
| 都道府県・自治体名 | 詳細・数値データ(最新推計) | 全国順位・シェア | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 鳥取県 | 約53万4,000人 | 第47位(最少・約0.43%) | 不動の最少自治体。小規模ゆえの機動的な行政対応が強み。 |
| 島根県 | 約65万2,000人 | 第46位(約0.52%) | 鳥取と並ぶ山陰の過疎地帯。東西に長くインフラ維持が課題。 |
| 高知県 | 約66万5,000人 | 第45位(約0.53%) | 高知県の人口も減少スピードが速く、平野部の少なさが影響。 |
| 徳島県 | 約69万8,000人 | 第44位(約0.56%) | 70万人割れが定着。関西圏へのアクセスが良い反面で流出も。 |
| 福井県 | 約74万6,000人 | 第43位(約0.60%) | 幸福度ランキング上位常連だが、総人口の規模としては下位。 |
| (参考)東京都世田谷区 | 約92万0,000人 | 東京23区で最多 | 1区だけで鳥取県の約1.7倍。圧倒的な人口集積の格差を示す。 |
ランキングを見ると明らかなように、下位3県である鳥取県、島根県、高知県の人口規模はいずれも50万〜60万人台で拮抗しています。そのなかでも鳥取県は頭ひとつ抜けて人口が少なく、全国の自治体再編論議において常に引き合いに出される象徴的な立ち位置となっています。

噂の真偽を徹底検証|東京都世田谷区との比較で見える驚愕のスケールギャップ
ネット上で頻繁に話題となるのが、「鳥取県の人口は東京の1つの区より少ない」という言説です。結論から言うと、この噂は紛れもない事実であり、それどころか世田谷区だけでなく複数の東京23区に単独で負けているのが現実です。
東京都の特別区ごとの人口データと鳥取県を突き合わせると、以下のような比較が成り立ちます。
- 東京都世田谷区:約92万人(鳥取県より約39万人多い)
- 東京都練馬区:約74万人(鳥取県より約21万人多い)
- 東京都大田区:約73万人(鳥取県より約20万人多い)
- 東京都足立区:約69万人(鳥取県より約16万人多い)
- 東京都江戸川区:約69万人(鳥取県より約16万人多い)
- 東京都杉並区:約57万人(鳥取県より約4万人多い)
鳥取県の県全域の人口(約53万人)は、世田谷区をはじめとする東京23区の上位6区それぞれよりも少ない規模にとどまります。さらに驚くべきはその空間的な対比です。鳥取県の総面積は約3,507平方キロメートルであるのに対し、世田谷区の面積は約58平方キロメートルに過ぎません。世田谷区の約60倍という広大な県土の中に、世田谷区の6割弱の人々が分散して暮らしている計算になります。この極端な対比こそが、日本における過疎化の現状と東京一極集中の歪みを如実に物語っています。
なぜこれほど少ないのか?鳥取県の人口が伸び悩む3つの決定的理由
鳥取県の人口が歴史的にも現代においても少なく留まり続けている背景には、単なる偶然ではなく、明確な地理・経済・歴史的要因が存在します。人口が少ない理由を紐解くと、次の3点に集約されます。
1. 中国山地がもたらす地理的障壁と平野部の狭さ
第1の要因は、地形的な制約です。鳥取県は南側を険しい中国山地に塞がれ、北側を日本海に面しています。県土の約74%を林野が占めており、人々が居住・開発できる可住地面積が極めて限られています。平野部は鳥取平野(千代川流域)や米子平野(日野川流域)などに限られ、まとまった都市圏を拡張できるスペースが地理的に限定されてきました。さらに、冬場の豪雪や山陰特有の曇天が続く気候条件も、歴史的な大規模移住の障壁となってきました。
2. 産業構造の偏りと若年層の都市部流出(ストロー現象)
第2の要因は、大規模な工業地帯の不在と進学・就職に伴う若者の流出です。戦後の高度経済成長期において、日本経済を牽引した「太平洋ベルト地帯」から外れた山陰地方には、重化学工業の大規模コンビナートが形成されませんでした。農業や水産業、観光業、電子部品などの製造業が堅実に息づく一方で、若年層、特に大卒者や女性が希望する多様なオフィスワークやIT・クリエイティブ産業の受け皿が不足。高校卒業や大学進学を機に、近隣の京阪神圏(大阪・兵庫・京都)や首都圏へ若者が流出し、そのまま定着する構造が固定化しています。
3. 江戸時代からの歴史的経緯と独立の歩み
歴史的な人口規模の違いも無視できません。江戸時代の鳥取藩(池田家)は32万石を誇る大名でしたが、隣接する山陽側(岡山や広島)に比べると商業都市としての爆発的な人口膨張はありませんでした。明治時代の廃藩置県期には、一時的に「島根県」に併合された過去を持ちます。その後、1881年に地域の自治を守るべく住民運動を経て再独立を果たしたものの、当初から行政区画としての基礎人口規模が他県に比べてコンパクトな状態からスタートしていました。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「日本一スカスカ」ではない真相
鳥取県に関してネット上で最も拡散されやすい誤解が、「人口が最下位だから、日本で一番人口密度が低くスカスカの県である」という思い込みです。これは統計上の事実と全く異なります。
総務省のデータに基づく人口密度ランキングを確認すると、日本で圧倒的に人口密度が低いのは北海道(約65人/km²)です。さらに、本州でも岩手県(約78人/km²)、秋田県(約78人/km²)、高知県(約93人/km²)、島根県(約98人/km²)などが続き、鳥取県の人口密度は約152人/km²で全国37位前後に位置しています。
なぜ総人口が最小なのに密度では10県近くを上回るのか。理由はシンプルで、鳥取県は面積自体も全国41位(約3,507km²)と非常にコンパクトだからです。鳥取市を中心とする東部、倉吉市を中心とする中部、米子市・境港市を中心とする西部の3つの平野エリアに住民が集中して生活圏を形成しているため、市街地に限れば適度な賑わいと生活インフラが集約されています。広大な山林地帯に集落が点在する東北や四国の山間部に比べ、日常生活における生活のコンパクトさは保たれているのが現場の真の姿です。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
人口最少県での日々の暮らしとはどのようなものなのか。SNSや知恵袋、地方移住者の手記・体験談から現場のリアルな実態を検証すると、都会の視線とは異なる光と影が見えてきます。
現場から漏れる「厳しい現実」
「日常の移動に自家用車が絶対必須で、ガソリン代と維持費が毎月かさむ」「電車の本数が1時間に1本、路線バスも減便傾向」「全国チェーン店の初出店が他県より数年から数十年遅れる」といった交通・消費面の不便さは、住民や移住者が真っ先に挙げる課題です。また、人口が少ないコミュニティ特有の人間関係の近さや、地域の草刈り・役員業務などの自治会負担を重く感じるという声も一定数存在します。
暮らして実感する「圧倒的な豊かさ」
一方で、現地生活を高く評価する声も根強くあります。「通勤ラッシュの満員電車が皆無でストレスから解放された」「海と山が目と鼻の先にあり、食材が新鮮で物価が安い」「子育て支援が手厚く、待機児童の心配がまったくない」といったライフスタイルの質の高さです。かつて鳥取県知事が発言して名フレーズとなった「スタバはないがスナバ(砂場)はある」という言葉通り、過剰な都市消費がない代わりに、精神的なゆとりや自然と共生する安心感を得られる環境が評価されています。
【プロの結論】地方創生と移住支援から見出すべき判断基準
地方創生と移住支援の観点から客観的に判断すると、鳥取県での生活に向いている人と慎重になるべき人の境界線は明瞭です。
- 移住をおすすめできる人:テレワーク環境が整っているITワーカー、満員電車を避けてのびのびと子育てをしたい共働き世帯、サーフィンやスキーなどアウトドアを日常に組み込みたい人、地域コミュニティに主体的に関われる人。
- 慎重になるべき人:車の運転に強い恐怖心がある人、徒歩圏内に深夜営業の商業施設や最先端カルチャーを求める人、匿名性の高い都会的な人間関係を好む人、現地での雇用のみに依存して高年収を狙いたい人。

地方創生のフロントランナーへ|「人口最少」を武器に変える鳥取モデル
鳥取県は現在、人口が日本で1番少ないという事実を「衰退の象徴」ではなく、「小回りが利く最大の武器」へと転換させる施策を推し進めています。
平井伸治知事のもとで展開されてきた「子育て王国とっとり」の取り組みでは、保育料の軽減措置や医療費助成、待機児童ゼロの継続など、大都市圏では予算規模や待機人数の多さゆえに実現が困難な政策を迅速に導入してきました。人口約53万人という規模は、県民一人ひとりの声が県庁や知事に届きやすく、実証実験や先進的なデジタル施策をスピーディーに実装できる「テストベッド(実証実験場)」としての優位性を持っています。
さらに2026年最新動向として、サテライトオフィスの誘致やワーケーションの推進、首都圏からの関係人口創出プロジェクトが加速しています。人口減少を無理に食い止めるのではなく、「人口が少なくても持続可能で幸福度が高いスマート自治体」を目指す鳥取県の挑戦は、将来的に同様の人口減少に直面する全国の自治体にとって重要な先行事例となっています。
【日本で1番人口が少ない県】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本で2番目、3番目に人口が少ない県はどこですか?
A1:2026年最新の推計データにおいて、全国で2番目に人口が少ない県は島根県(約65万人)、3番目は高知県(約66万人)です。4位に徳島県、5位に福井県が続いており、四国と山陰エリアに人口規模の小さい県が集中しています。
Q2:鳥取県が近隣県(島根県や岡山県)と合併して人口を増やす計画はないのですか?
A2:現在、具体的な越境合併の計画はありません。明治時代に鳥取県が島根県に一時併合された際、行政サービスの偏りや地域軽視に対する反発から激しい再置運動が起き、独立を勝ち取った歴史的背景があります。住民アイデンティティや地理的分断が大きいため、合併よりも広域連携(山陰インバウンド推進や広域防災など)による課題解決が現実的な選択肢となっています。
Q3:鳥取県の人口は今後50万人を割り込む可能性がありますか?
A3:国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、現在のペースで自然減と社会減が続いた場合、2030年代半ばから2040年頃にかけて50万人を下回る可能性が指摘されています。そのため鳥取県では、移住定住の促進や子育て支援の拡充とともに、人口が減少しつつも地域経済を維持する持続可能なインフラ再構築を進めています。
まとめ:人口最小県・鳥取が問いかける日本の未来像
「日本で1番人口が少ない県」である鳥取県の実態を紐解くと、世田谷区の人口を大きく下回る約53万人という数値のインパクトとともに、地理的・歴史的要因に裏打ちされた合理的な背景が見えてきます。
人口の少なさは、単なる過疎化の課題だけを意味するものではありません。過密によるストレスが充満するメガシティ東京とは対極に位置し、豊かな自然環境、手厚い子育て施策、そして行政と住民の距離の近さという独自の価値を保持しています。全国が本格的な縮小社会を迎えるなか、最小自治体である鳥取県が繰り出す地域再生の試みは、これからの日本が目指すべき「豊かさの新しい基準」を先駆けて示しています。 (出典: 日本で1番人口が少ない県(Yahoo!ニュース))